藤岡藤巻の楽屋

ゆるーく書きます

落語2

藤巻です。

 

「粋」の反対語は何だと思いますか?
数年前テレビに出ていた江戸文化研究家みたいなおばさんが問いかけた。
答えはなんと「野暮」!

おばさん曰く「粋」とは相手に恥をかかせないことだ、と。
英国のヴィクトリア女王南アフリカの大統領を招いた晩餐会で、その南アフリカの大統領が指を洗うものだと知らずに、フィンガーボールの水を飲み干した。それを見た女王は平然とフィンガーボールの水を飲み干した、というが、これこそ相手に恥をかかせない粋な行いなんだと話していた。

それに対して、不倫した芸能人とかをテレビのコメンテーターとかが、鬼の首でも取ったかのように、責め立てて恥の上塗りをするような行為は野暮ったいのかも知れない。

落語の登場人物は酔っ払って喧嘩したり、博打ですっからかんになったり、吉原に入りびたったり、ダメなヤツばかりだが粋なヤツ多い。
漫才とかでは片方を貶め、恥をかかせて相対的に自分の価値を高めるやり方のコンビがいるが、野暮ったいなぁと思いながら観ている。

前回落語を業の肯定だと談志が言っていると書いたが、江戸っ子のどうしようもない奴らがでも粋に生きている姿が私はなんとも好きなのかも知れない。