藤岡藤巻のフジオカです。
だいぶ間が開いてしまいましたが、入院体験のその後です。
まあ、そんだけダメージがデカかったってことですが、
今現在は、もう安定してますので、ご安心ください。
さあ、いよいよ手術の日です。
全身麻酔ということでしたので、あんましテンパらずに当日を迎えました。
手術着というヤツに着替え、寝たままのベッドで手術室に運ばれます。天井がぐいぐい動いていきます。映画でよく見るアレです。
手術室もこれまた、映画でよく見るまんまで、思わず「映画みたいですね」と言ったのですが、誰も反応してくれませんでした。まあ、皆さん、真剣な仕事の現場ですからね。
などと思っていたら、透明なマスクをつけられて、聞いていた通り、10秒くらいで意識を失います。
「麻酔、効くのかなあ?飲んべえは効きが悪いっていうけどなあ」とかいう心配は、まったくの杞憂でした。
もちろん、その後のことは何も覚えていません。
ただ、うわさに聞いた「悪夢」はすごかった!
覚えてないのが残念なくらい、大量の複雑な悪夢をみました。
ひとつだけ覚えているのは、深宇宙と思しき広大な空間に、
幾つもの「直方体」(太く短い柱みたいなの)が浮かんでいて、ゆっくり動いてる様です。何となく、生物が最後に訪れるという、「宇宙の墓場」だと思いました。
映画「2001宇宙の旅」に登場するモノリスを連想しましたが、残念ながら色は黒ではなくアイボリーの柱で、質感はプラスティックっぽかったです。ただ、巨大なのと小さいのと、もの凄い数が微動してて、気味が悪かったです。映像の下の方は、部屋の中のような気もしました。
どなたか、夢判断の得意な方は、分析してほしいものです。
なぜ、この一個だけ覚えているのかも不思議です。
命が終わる瞬間、それまでの出来事が走馬灯のように回る、ってのは、こんなカンジなのかなーと思いました。
目が覚めてからは、昼夜がゴチャゴチャになりました。昼間かと思ったら深夜で、またその逆もあって、一日がわかりませんでした。
そして、点滴生活3日間、声が出ないので、筆談生活5日間が始まりました。点滴は、「必要な水分は摂れてるはずなんですが、のどが渇いてたまらん」と噂で聞いていましたが、噂以上に辛かったです。
自分の病室に帰っていたので、PCとかで、サブスク映画とかくらいは見れる状態でしたが、まったく何もする気が起きません。
一日中、何もせずに天井を見つめている時間が過ぎてゆきます。気力、体力とも、どんどん老人になっていく気がしましたが、それを焦るような気持ちさえ湧いてこないので、ずーっと、ぼーっとしてました。
何となく、藤巻君の日常って、こんなカンジなのかな?と思いました。
言い方、変ですが、6日目くらいからやっと、退屈な入院生活が始まりました。6時に起こされて、20時に消灯。
それはそれは不味いお粥定食が、3回運ばれてきます。
不味いです。必ず、ゼリーとかが付くんですが、それも不味いんです。(病院名は伏せますが、まあたいがいそうらしい)
歩行系に問題なくなってからは、みなさん、病院の通路を歩き始めます。広い病院ですが、ワンフロアですから、行ったり来たりです。「階段上り下りはダメなんですか?」と聞いたら「階段は危険なので」ということで。
当然の流れで、おっさんが行き来してすれ違います。
藤岡は、二種の点滴&尿の、上下で2種類です。
一番シンプルなぺーぺー病人です。
すると前から、点滴を左右に2種類ずつ4個下げ、
下には、尿とあと違うものを出す袋らしきを装着した、
スーパーガンダムみたいなベテラン老人とすれ違います。
圧倒的な劣等感を感じますが、「よく考えりゃあ、こっちのが軽傷ってことじゃん」という優越感も湧いてきて、人間模様が交差する、不気味な回廊です。
消灯時間までは続きます。
深夜の病棟は、ナースセンターもたまに不在で、薄暗く、
よく怪談に使われますが、入院患者からすると、怖くもなんともなく、退屈極まりない、早く出たい空間に過ぎません。
やはり、怪談怖い、は健常者の余裕が産む、エンターテインメントなんですね。ついでに、可愛いナースがどうの、とかいう気持ちもまったく湧きません。あれも、軽度の骨折とかの余裕のある入院患者の言ですね。
藤岡は、ただ「帰りたい」「日常に戻りたい」「ここに居たくない」で頭がいっぱいでした。
長いので、次回は退院偏「人生観変わるぜよ」
は次回(すでにキャラ変わってるけど)